2011323
各専門家のコメントは、その時点の情報に基づいています。
SMCで扱うトピックには、科学的な論争が継続中の問題も含まれます。
新規データの発表や議論の推移によって、専門家の意見が変化することもありえます。
記事の引用は自由ですが、末尾の注意書きもご覧下さい。

東京の水道水からの放射性物質検出:海外専門家コメント

Ver.1.0 (110323-21:09 Updated:110323-22:30)

これは英国SMC(Science Media Centre, UK)によるサイエンス・アラートの翻訳です。

※あくまで、コメント時にそれぞれの専門家が把握していた状況に基づいています。ご注意下さい。

記事の引用・転載(二次使用)は自由ですが、末尾の注意書きもご覧下さい。

<海外より・英国SMC発 サイエンス・アラート>

東京の水道水からの放射性ヨウ素検出に関する海外専門家コメント

今回の災害に関して、英国SMCが収集した専門家コメントをお送りします。
日本時間3/23-18:21にこちらに到着したものです。このページは追記の可能性があります。

ジム・スミス
ポーツマス大学准教授(専門:環境物理学)

 東京の水道水から210Bq/lの放射性ヨウ素が検出されたことを受け、乳児に水道水を与えないようにするよう呼びかけがありましたが、これは慎重な予防措置です。

 ただ、この基準値は、非常に長い期間に渡って水道水の摂取を続けた場合の安全性を確保するために低く設定されていることは強調されるべきでしょう。つまり、この推奨される基準値の倍[の放射性物質レベル]の水道水を少量(例えば数リットル程度)摂取した場合であっても、健康に対して有意な危険性はありません。

 

 水道水を飲まないようにというこの呼びかけは、妊娠中や母乳で育児中の女性に対しても適用されていくのではないかと私は予想します。
 
Dr Jim Smith, Reader in Environmental Physics at the University of Portsmouth said:
“Following the finding of up to 210 Bq/l of radioactive iodine in tap water in Tokyo, the recommendation that infants are not given tap water is a sensible precaution. But it should be emphasised that the limit is set at a low level to ensure that consumption at that level is safe over a fairly long period of time. This means that consumption of small amounts of tap water – a few litres, say – at twice the recommended limit would not present a significant health risk. I would expect that the recommendation not to drink tap water would also extend to women who are pregnant or breastfeeding.“
SMC注:誤読されるかたも多いようですので、改行して文脈を整理し、さらに原文を併記いたします。特に最後の文章は、(東京の水道水から放射能検出という報を受けて)コメントした現地の専門家が「これから起こるかもしれないこと」を予想しているものであり、「今の日本政府・自治体の発表と矛盾するもの」ではありません。くれぐれもご注意下さい。

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専門家によるこの記事へのコメント

  1. 部外者ですみません

    「はっきり○○Bq/lから危険と言った貰った方が安心」「(他国などの基準と比較して)大丈夫ですか」というご意見、ごもっともとは思います。
    思いますが、「確率論」のことでありそれはちょっと・・・とも。
     例えば「○○Bq/lを1日1.5l、15年飲むと発ガン率が5%上昇し 死亡率が1%上昇」とか言われたらますます「???」となってしまいませんか・・・この文章にも大穴はあって、15年も継続する放射線量は(この事故のあとで)ないでしょうし、じゃぁあと何年で落ち着くか、っていうのも まだ今の時点では言えないこと・・・・3ヵ月かもしれない、5年かもしれない。でもきっとある時点から量は減るわけで。

    「このサイコロ、6回投げたら1回だけ6が出る、って言ったじゃないですか!今続けて2回でましたよ!?ほら、また4回目にも出た!」
    って議論が見えるみたいに思うんです。

    となると、やっぱり「ご自分で判断して」と言われるのも仕方ないんじゃないかなぁと。(SMCの専門家の意見を自分で吟味するっていう手が一番いいのでは。)

  2. 七氏

    ぐぐると【摂取限度】についてこんなのがたくさん出てくる。確かなソースは自分で探して。

    欧州原子力共同体(EURATOM、ユーラトム)のガイドラインでは、放射性ヨウ素の摂取限度は1キログラムまたは1リットルあたりで、乳児食で150ベクレル、乳製品で500ベクレル、その他の食品で2000ベクレル、液体の飲料物については1リットルあたり500ベクレルと定められている。

  3. 乳幼児の母です

    放射性降下物の測定値が、東京都や埼玉県では他の都道府県に比べて高いようです。この値が、乳幼児にとってどれくらい危険なのかがわかりません。
    教えて下さい。

  4. つき

    210Bq/l は安全というコメントよりも、はっかりと XXX Bq/l から危険といってもらった方が安心できるように思います。

  5. 妊婦です

    WHOは1ベクレル
    アメリカは 0.5ベクレルが
    基準のようですが
    大丈夫ですか?

専門家によるこの記事へのコメント

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