私たちが確かにわかっていることは何かを評価する」PNAS(2003)

【翻訳論文】「低線量被ばくによるがんリスク」

2011年6月21日

Ver.1.0 (110621-19:00)

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 論文の内容についての検討を、翻訳された東工大の調准教授が書かれています。こちらも合わせてご覧下さい:

【寄稿】「低線量被ばくによるがんリスク」論文解題:調麻佐志准教授・東工大

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低線量被ばくによるがんリスク:
  私たちが確かにわかっていることは何かを評価する

翻訳:調麻佐志(しらべ・まさし)准教授・東工大

【原著論文・書誌情報】

"Cancer risks attributable to low doses of ionizing radiation: Assessing what we really know"

David J. Brennera,b, Richard Dollc, Dudley T. Goodheadd, Eric J. Halla, Charles E. Lande, John B. Littlef, Jay H. Lubing, Dale L. Prestonh, R. Julian Prestoni, Jerome S. Puskinj, Elaine Rone, Rainer K. Sachsk, Jonathan M. Sametl, Richard B. Setlowm, and Marco Zaidern

aCenter for Radiological Research, Columbia University, 630 West 168th Street, New York, NY 10032; cClinical Trials Service Unit, Radcliffe Infirmary, Oxford OX2 6ME, United Kingdom; dRadiation and Genome Stability Unit, Medical Research Council, Oxfordshire OX11 ORD, United Kingdom; eRadiation Epidemiology Branch, National Cancer Institute, Bethesda, MD 20892; fLaboratory of Radiobiology, Harvard School of Public Health, Boston, MA 02115; gBiostatistics Branch, National Cancer Institute, Rockville, MD 20892; hRadiation Effects Research Foundation, Hiroshima 732-0815, Japan; iEnvironmental Carcinogenesis Division, Environmental Protection Agency, Research Triangle Park, NC 27711; jOffice of Radiation and Indoor Air, Environmental Protection Agency, Washington, DC 20460; kDepartment of Mathematics, University of California, Berkeley, CA 94720; lDepartment of Epidemiology, Johns Hopkins University, Baltimore, MD 21205; mBiology Department, Brookhaven National Laboratory, Upton, NY 11973; and nDepartment of Medical Physics, Memorial Sloan–Kettering Cancer Center, New York, NY 10021

Contributed by Richard Doll, August 29, 2003

PNAS November 25, 2003 vol. 100 no. 24 13761-13766

http://www.pnas.org/content/100/24/13761

※翻訳の正確さに関してPNASには一切の責任がありません。
(PNAS is not responsible for the accuracy of this translation.)

 

略記: CI, 信頼区間; LSS, 生涯調査(寿命調査); RR, 相対リスク

要旨

 高レベルの放射線被ばくは、発がんを含む、しかし、がんに限らない有害な影響を疑いなくもたらす。低線量被ばくについての状況はずっと明確でないとはいえ、低線量被ばくのリスクは、がん検診、原子力発電の将来、職業的な放射線被ばく、頻繁に航空機を利用する乗客のリスク、有人宇宙探査、核テロリズムといった幅広い問題と関連しており社会的に重要である。

 私たちは、低線量被曝のリスクを定量することの難しさについてレビューを行い、二つの問題に取り組んだ。

 第一の問題は、ヒトの発がんリスクの増加について良い証拠が得られるx線あるいはγ線被ばくの最低値はいくつか?という問いである。疫学的データは、急性(短期)被ばくで約10〜50mSv、長期被ばくで約50〜100mSvをその最低値の範囲として示す。

 第二の問題は、さらに低い線量の被ばくによるがんのリスクを推定して評価するのに最適な手法は何か?というものである。

 実験的な根拠のある、定量的かつ生物物理学的な議論で支持され得るものとしては、中レベルから極低レベルの被ばくの発がんリスクの定量には線形推定が最も適切な手法であるようだ。この線形仮説は必ずしも最も保守的なアプローチなわけではない。また、いくつかの放射線による発がんリスクを過小評価し、またいくつかを過大評価する可能性が高い。

本文

 低線量被ばくの生物学的影響については、一世紀以上の間、研究および論争がなされてきた。中レベルおよび高レベルの被ばくについては疑問の余地がなく、急性であれ長期であれ、100mSv以上の被ばくは、がんを含む、しかし、がんに限らない有害な結果を人間にもたらす。しかし、低線量被ばくについての状況はあまり明確にはわかっていない。たとえば、ほとんどの放射線検査が3〜30mSvの範囲の被ばくをもたらす(Table 1)。がん検診、原子力発電の将来、職業的な放射線被ばく、頻繁に航空機を利用する乗客のリスク、有人宇宙探査、核テロといった幅広い問題と関連して、低線量被ばくのリスクの理解はいまだ社会的重要性を持っている。典型的な被ばくについてはTable 1(1-6)に示されている。

Table 1. 社会における低線量被ばくおよび低線量被ばくリスク推計値と関連する推計平均被ばく量

社会関連の被ばく

個人の推計平均被ばく量(mSv*)

 ニューヨーク=ロンドン往復フライト

0.1

 一回のマンモグラフィによる乳がん検診(胸部被ばく)

3

 自然放射線被ばくによる背景被ばく

3/年

 チェルノブイリ事故周辺、ウクライナ農村に住む50万人の(70年間の)被ばく

14

 核テロシナリオ(FASB シナリオ1: medical gauge containing cesium (6))

 にしたがった半径20 ブロック圏における被ばく

3-30

 小児CTスキャン(腹部検査における胃の被ばく)

25

 放射線作業従事者の被ばく限度(1)

20/年

 国際宇宙ステーションでの被ばく

170/年

低線量被ばくの疫学調査

 

 原爆生存者(LSSコーホートにおける平均被ばく(2))

200

 医療用X線検査(脊柱側弯検査の平均被ばく(4))

100

 原発労働者(主要な研究における平均被ばく(5))

20

 子宮内診断による個人の被ばく(3)

10

 本研究においては、mGy単位の吸収線量は相当する器官におけるmSvの被ばくと同じ数値としている。吸収線量は単位質量当たりに受ける放射線エネルギーを表す物理単位である。被ばく管理目的では、等価線量および実効線量が使われ、それには放射線荷重係数が含まれる。x線ないしγ線であれば、1mGy=1mSvである。

FASEB: 米国実験生物学会連合

*対応する器官の被ばく量を示している医療被ばく(マンモグラフィ、CTスキャン、脊柱側弯検査被ばく)を除いて、すべての被ばく量は全身被ばく量である。

 

 高レベルの被ばくに比べて、低線量被ばくのリスクはより低い可能性が高く、有効な精度でリスクを定量化するためには、極めて大規模な疫学研究が必要とされる。たとえば、超過リスクが被ばく量に比例するとすれば、1000mSvの被ばくの効果を定量するには500人のサンプルが必要とされる。同じ設定で、100mSvなら50,000人、10mSvであれば5,000,000人のサンプルが必要である。言い換えると、統計的な精度と検定力を維持するのに必要なサンプルサイズは、被ばく量の逆2乗(2乗の逆数)に沿ってほぼ増加する。この関係は、被ばく量の減少に合わせてS/N比(シグナル(被ばくリスク)とノイズ(自然放射線被ばくリスク)の比率)が低下することを反映する。

 さらに特別な例がFig.1(9)にある。この図は、現状の低線量被ばくリスクの推計値を元に、がんによる死亡の統計的に有意な増加を検知する目的で生涯のフォローアップ調査を実施するのに必要とされるであろう被ばく人口の規模を示す。極低レベルの放射線被ばくのリスクを定量するにはとてつもなく大規模な調査が求められる。

 低線量被ばくリスクの定量におけるこの困難さを所与として、私たちは二つの特別な問題を設定した。すなわち、(1)人間のがんリスクの有意な上昇を説得的に示す証拠が得られる最小のx線あるいはγ線被ばく量はどれだけか?(2)さらに低レベルの被ばく量のリスクを推定(外挿)する最適な手法はなにか?

 当然ながら、動物研究やインビトロ研究(試験管内実験による研究)からも多くの補助的情報が得られるにもかかわらず、私たちは被ばく人口に対する疫学調査に概ねフォーカスする。このアプローチを取ることで、細胞や実験動物から得られたデータを人間に当てはめることにより生じる問題について取り組む必要がなくなるのである。

Fig.1 生涯フォローアップ調査を前提とした場合の各水準で被ばくしたコーホートにおいてがん死の有意な増加を検出するために必要なコーホートのサイズ(9)

 

人体のあらゆる器官における発がんリスクの増大について良い疫学的証拠が得られる被ばく量の最小値はいくらだろうか?

 がんリスクの増大の証拠としてのx線あるいはγ線被ばく量の最小値を推計するにあたって、(原爆による被ばくのような)短時間の急性被ばくと(職業上の被ばくあるいは分割照射法による治療のような)長期被ばくとを区別することが重要である。一般に、x線ないしγ線の長期被ばくは、ガンやその他の評価項目(endpoint)において、同じ総被ばく量の急性被ばくよりも低いリスクと結びつく (10, 11)。

 

急性被ばく

 低線量被ばくリスクを評価するのに最高の検定力を有する疫学研究は、原爆生存者のLSSコーホート研究である(2)。なぜなら、コーホートが大きく、フォローアップは完全でしかも非常に長期であり、さらに適切に生存者を特徴付けられる幅広いレベルで被ばくが生じているからである。原爆生存者の分析はしばしば高レベル被ばくの研究と考えられてきたものの、実際、LSSコーホートにおける被ばく者グループの平均被ばく量は200mSvばかりであり、コーホート(26,300名)内の50%以上の被ばく者個人は50mSv未満の被ばく量である。発がん(12)、ガンによる死亡(2)およびガン以外の死亡(2)についてこれまで研究がおこなわれてきた。もっとも、被ばく者グループのほぼ半数が、また小児期に被ばくした個人の過半数は存命である。このLSS研究では、分析に組み込まれた各個人の器官被ばく量の推計値が得られ、その結果が被ばくグループカテゴリーに示されている。対照群として使われたグループは爆心から十分離れており、被ばく量は5mSv未満である。Fig.2が原爆生存者(1950-1997)の固形がんに関する低線量被ばくリスクの推計値(2)を示す。被ばく量5~125mSv(平均34mSv)の被ばくカテゴリに属す個人は固形がん死亡の有意な増加を示す(有意水準2.5%)。この低線量被ばくによるがん死リスクの推計値にはバイアスがかかっていることはあり得る。たとえば、爆発に近かった個人は死亡診断書にがんと記録され易かったかもしれない。発がん研究ではそのようなバイアスが存在する可能性がより低く、5~100mSvの被ばく量(平均被ばく量、29mSv)の原爆生存者集団は、5mSv未満の被ばく量の生存者と比較して固形がん発生の有意な増加を示している(有意水準5%)。

 直前で議論した原爆生存者のリスクはすべての被ばく者の平均を示す。年齢(13)、遺伝的状況(14)、その他の要因(15)に依存して、下位集団で平均よりもリスクが増加する、あるいは減少することを適切な証拠が記録している。人口全体の放射線管理への実践的意義に加えて、潜在的に放射線感受性のある下位集団に関する低線量被ばく研究は、これらの下位集団において低線量被ばくリスクを明確に実証することを可能にし、高いS/N比(リスク/自然放射線比)に結びつくかもしれない。この点に関する一つのアプローチは、胎内被ばくや小児被ばくへのフォーカスである。なぜなら、若い集団における高頻度の細胞分裂のため、また潜在的ながんの発現が見られる長い生涯により、放射線リスクが高いことが予期されるからである。出生前のx線被ばく後の小児がんリスクは徹底的に研究されてきた。子宮内診断による小児がんリスクについての多数の研究の詳細な分析は胎芽と胎児に対する10mSvの被ばくは小児がんのリスクの結かつ定量可能な増大をもたらすと結論している(3)。Mole(16)はこれらの研究の中で最も信頼できるリスク推計値は英国で1958-1961年の間に行われた出生調査から得られるものであると論じ、その調査の推計平均胎児被ばく量は6mSv、小児がん死のオッズ比は1.23(95%信頼区間は104-1.48)である。

 

Fig.2 低線量被ばく(<500mSv)にあった原爆生存者のLSSコホート内の生存者間の固形がんリスク死亡(1950-1997)の超過相対リスク推計値(±標準偏差)(2).

 

長期低線量被ばく

 長期的に低線量放射線に被ばくした多数の放射線作業従事者を扱った研究にこれまで多くの注意が向けられてきた。その結果については、三カ国(米国、カナダ、英国)の原発作業従事者の調査の統合分析(17)、拡大版の原発作業従事者の英国調査(18)、カナダの放射線作業従事者調査(19, 20)による報告がなされている。これらの調査はGilbert(5)によってレビューされた。固形がんについての発生および死亡リスクの有意な増加がカナダの二つの研究(平均被ばく量、6.5mSv)で見出されている。逆に、統合分析あるいは英国調査(いずれも高い平均被ばく量、各々40mSvと30mSv)は固形がんリスクの有意な増加を示さなかった。しかし、三つの研究すべてで白血病のリスク増加が見られ、統合分析で統計的に有意であり、英国の調査では有意傾向(borderline significant)がみられ、カナダの両調査では有意でなかった。

 急性被ばくでは、リスクが高くそのため定量が容易なことが期待できるので、小児期被ばくの分析が有益であった。x線検査を複数回受けた20歳未満女性(平均胸部被ばく量は、25回の検査で108mSv)に関する米国の脊柱側弯症コーホート研究(4)は乳がんリスクの統計的に有意な上昇を明らかにした(RR=1.6, 95%CI=1.1-2.6)。さらに、分析を胸部被ばくが10~90mSvに限っても超過リスクは有意にとどまった。

 Ronら(21)は、頭蓋骨の分割照射法による放射線治療を受けた子供たち(5回の照射、平均総甲状腺被ばく量62mSv、被ばく量の範囲は40-70mSv)を調査した。対応する照射を受けてない比較対象群に対して、治療を受けた子供たちでは、甲状腺がんリスクが統計的に有意な増加を示した(RR=3.3、95% CI = 2.7-10.3)。より高いリスクは被ばく時の年齢が5歳未満に限った場合に見られた(RR=5.0、95% CI = 2.7-10.3)。それに続く小児期外部被曝後の甲状腺がんに関する五つの調査(上記の頭蓋骨への照射の調査を含む四つは分割照射法による治療についての調査)の統合分析(22)は、平均甲状腺被ばく量50mSv(被ばく量の範囲、10-90mSv)において甲状腺がんリスク増加の明確な証拠を示した(RR=2.5, 95% CI = 2-4)

 さらに低い被ばく量では、原爆実験による降下物に被ばくした5歳未満の幼児における白血病リスクの増加(降下物による骨髄被ばく量の推計値、1.5mSv、RR=1.11、95% CI = 1.00-1.24)が示唆された(23)。この研究では個々の被ばく量が推計されてはいないものの、生態学的研究に共通するバイアスが降下物による被ばくと白血病の発症の間の時間的相関関係にどう影響を与え得るかを理解することは難しい。これらの結果は、ネバダ核実験場からの降下物とユタ州における白血病に関する初期に実施されたケース・コントロール研究(24)の結果と整合的である。この研究では、急性白血病の有意な超過リスクが、5から30mGY(オッズ比、5.8、95% CI = 1.6-22)の骨髄被ばくを受け、20歳未満で死亡した者に見られた。

 

がんリスクの明確な証拠が示される被ばく量についてのまとめ

 x線ないしγ線に関しては、50mSv以上の急性被ばくにおいてがんリスクの増大の適切な証拠が示され、5mSv以上の被ばく量においていくつかの種類のがんリスクの増加の妥当な証拠が示された。基礎的な放射生物学(10)から予想されるように、統計的に有意なリスクが見られる以上の被ばく量は、急性被ばくよりも長期被ばくにおいて高い。すなわち、とくに、100mSv以上の長期被ばくに対していくつかの種類のがんリスクの増加を示す適切な証拠が見られ、50mSv以上の長期被ばくにおいてもがんリスクの上昇の妥当な証拠が見られた。

 すでに述べたような疫学の実践上の限界があるので、これ以上の有意に低い被ばく量におけるリスクを直接推計することが将来的にもできることはないだろう。もちろん、たとえば5mSv以下の被ばく量におけるリスクを直接見積もれないという事実は、これより低い被ばく量において現実にリスクがあるか否かに関するいかなる結論も導かない。以下で議論するように、リスクに関する推計は背後にあるメカニズムの理解に基づく必要がある。

 

観測されたリスクの低線量被ばくへの外挿

 ヒト集団において有意なリスクが示されたレベルより低い被ばく量において(長期被ばくで50-100mSv未満、あるいは急性被ばくで10-50mSv未満)、線量反応曲線の形状を疫学的なデータのみで決定することはできない。Fig. 3に示されるあらゆる線量反応曲線は低線量被ばくによる腫瘍形成の可能な表現であり、異なる評価項目(endpoint)が異なる線量反応曲線の形状を描くのは当然だろう。

 これから私たちが議論するように、高レベル被ばくのリスクから低レベル被ばくのリスクを線形に推定(外挿)すると、いくつかのシナリオで複数の低線量被ばくリスクを過小評価する可能性があり(Fig. 3の曲線b)、またいくつかのシナリオでは低線量被ばくリスクを過大評価する可能性がある(Fig. 3の曲線c-e)。これらの様々なシナリオの多く、あるいはすべてが、異なる評価項目(endpoint)に対して、適用されることも大いに有り得る。

Fig.3 放射線被ばくリスクの測定値の極低線量被ばくへの外挿(原則として、すべてがより高いレベルの被ばくの疫学データと矛盾しない)の図的表現.曲線aは線形推定、bは上に凸、cは下に凸、dは閾値モデル、eはホルミシス反応.

 

線形線量反応関係(Fig. 3の曲線a)

 統計学的に意味のある分析に乗り易い低レベルおよび中レベルの被ばくについては、疫学および実験研究の双方から大量のデータが得られており、そのデータは線形線量反応関係と矛盾しない。当該データは近年のNRCPM(全米放射能防護測定委員会)報告書において徹底的にレビューされており(文献25、7頁)、 “低線量被ばくに関する変異原性および発がん性効果に対する他の線量反応関係を排除することはできないものの、現存する科学知識に基づけば線形非域値モデル以上に妥当な別の線量反応関係はないように見える”とその報告書は結論した。

 直接研究には乗らないかもしれないさらに低いレベルの被ばくにおいて、線形性(Fig. 3の曲線a)に関する生物物理学的な論理的根拠(rationale)は、放射性エネルギー付与の独特かつ確率的な性質と結びついている。生物物理学的な論理的根拠は本質的には次のとおりである。

 

  1. 直接の疫学的証拠は、10mGyのx線診断による器官被ばくががんリスクの増加と関連付けられることを示している(3, 16)。

  2. 10mGyのx線診断による器官被ばくによって、放射線を浴びた細胞核のほとんどで、一つあるいは多くとも二つ、三つの物理学的に離れた電子軌道が遷移させられる。物理的にとても離れているので、これら二、三の電子軌道が共同かつ協調してDNAの損傷を起こすことはほとんどあり得ないであろう。すなわち、むしろ、これらの電子軌道は独立して働きDNAの確率的損傷とその結果による細胞変化をもたらす。

  3. 被ばく量の減少、たとえば1/10への減少は、単に、電子軌道の遷移とダメージを受けた細胞の数が被ばく量に比例して減ることを意味する。その結果、低線量被ばくで攻撃されたこれらのより少数の細胞も、10mGyの被ばくで生じたのと同じタイプの電子的損傷と同じ放射生物学的プロセスに従うであろう。

  4. したがって、損傷した細胞数が1/10に減少することからは同じ1/10という割合での生物学的反応の減少が予想されるであろう。すなわち、被ばく量の減少に比例して反応も減少するだろう。10mGyで活性ではないが、たとえば、1mGyで活性化する質的に異なる生物学的プロセスを期待することはできないし、逆もまた期待できない。この議論は、ほとんどの放射線由来の評価項目(endpoint)に関するリスクが閾値なしに約10mGyから任意の低いレベルの被ばく量まで線形に減少することを示唆する。

 

 この線形性に対する生物物理学的な議論は、個別の細胞の自律的反応に由来する放射線の影響を考慮するものである。クローン性のがんにおいても、本質的な意味で別々の細胞間の相互作用を腫瘍形成が伴うことがあるかもしれない(26)。腫瘍形成の際のそのような多細胞相互作用も、比率を減らす放射性の損傷段階が単一細胞のプロセスである限りにおいては、線形性を変化させることは期待できないだろう。すなわち、たとえば、そのミクロな環境内での放射線による損傷を受けた細胞の処理(processing)は最終的な評価項目における被ばく量との線形関係に影響を与えないであろう。しかし、もし放射線による損傷を受けた複数の細胞が相乗的にあるいは拮抗的に影響しあうのであれば、さらに低いレベルでは線形性が成立するとはいえ、線形性は必ずしも被ばく量の関連する範囲では成り立たたないだろう。今日までに観測されている協調的な多細胞の放射線による効果としては、バイスタンダー(bystander)効果(27)と遅発性不安定(delayed instability)(28, 29)があるが、低レベル被ばくでは飽和を示しており、それは、線量反応曲線が上に凸となる(Fig. 3の曲線b、また次を見よ)根拠と成り得る。

 

線形仮説が低線量被ばくリスクを過小評価するシナリオ:上に凸な線量反応曲線

 上に凸な(傾きが徐々に減少する)線量反応曲線の存在の証拠は、疫学研究および実験研究の双方で存在する。最新の低線量被ばく原爆生存者のがんによる死亡(Fig. 2)および発がん(Fig. 4)データはともに、この形状を示すように見える。もちろん、このように低い被ばく量における線量反応曲線の形状は、疫学的研究を通じて、明快に描くことはできない。

 このような上に凸な線量反応曲線についてはいくつかの解釈がなされてきた。第一の解釈は、全サンプルの中の放射線に対して過敏な下位集団の存在である(14)。たとえば、Fig. 5の概略図において、放射線由来の乳がんに過剰に敏感な個人からなる非常に小さな下位集団(仮の例として全体の0.25%とする)の意義を考える。この敏感さは“sensitives”とラベルが貼られた線量反応曲線を導き、0.25%で飽和する。そうすうと、“normal”(正常な)集団の線形な線量反応曲線と組み合わさることによって、集団全体の線量反応曲線は上に凸となるだろう。Atm(30-32)およびBrcal(33-35)ヘテロ接合体のような遺伝に基づく放射線に過敏性を示す下位集団が同定されており、しかし、その性質と放射線由来のがん過敏性との関係はいまだ論争になっており(36-37)、しかも、Fig. 2およびFig. 4のような線量反応曲線を説明するのに必要とされるであろう頻度と過敏さを伴う放射線過敏な集団は今日までのところ同定されていない。

 上に凸な線量反応曲線(Fig. 3の曲線b)に関する第二の解釈は誘発的放射線耐性(induced radioresistance)、ときに適応反応と呼ばれるものに関するものであり、それによって、低レベルの“先行する(priming)”放射線被ばく(典型的には5-100mGy)が、おそらくDNA修復メカニズムの上方制御によって、その後に続くより大きな被ばくに対する放射線感度を減少させる。この現象は、発がん現象(38)、細胞不活性(39)、突然変異誘導(40)、染色体異常形成(41)および試験管内ガン変異(42)に関して報告されている。しかし、先行する被ばくが実際に続く放射線反応性を減らすことを示す証拠はない。現存するデータは、誘発的放射線耐性は4から48時間程度継続する一時的なものであり、この現象は長期の低線量被ばくに関しては限られてしか関係しないであろうことが示唆される。実験的には、ヒト細胞においてもこの効果は観察されており、かなりの個人差が見られる。さらに、誘発的放射線耐性の能力は年齢とともに著しく減少すると報告されている(43)。

 すでに述べたように、上に凸な線量反応曲線(Fig. 3の曲線b)の第三の解釈はバイスタンダー効果(27, 44)の結果である。バイスタンダー効果は、放射線により破壊された細胞が直接は放射線に攻撃されたなかった隣接する細胞にシグナルを発することと関わる。そして、これのシグナルが潜在的にはバイスタンダー細胞(45)の発がん性の損傷へとつながり得る。バイスタンダー効果は、隣接する放射線で損傷した細胞からの損傷シグナルを受けた多数の細胞を反映して、低被ばく量時の急激な反応により特徴付けられる。しかし、若干高い被ばく量においては、(関連する細胞はすでに影響を受けているため)バイスタンダー効果は飽和する。その結果、Fig. 3の曲線b(46)のように特徴的な上に凸な線量反応曲線を導く。バイスタンダー効果がラドン(α粒子)被ばく(47)による低戦力被ばくのリスクと関連するかもしれないことを示す証拠は存在するものの、バイスタンダー効果と低線量のx線あるいはγ線の被ばくリスクとの関連性はいまだ見出されていない。

Fig.4 低線量被ばくにあった原爆生存者の固形がんについてのリスク推計値(被爆していない個人に対する相対値)(12)

線形仮説が低線量被ばくリスクを過大評価するシナリオ:閾値およびホルスミン効果(ホルミシス反応、Hormetic Responses)

 被ばく量における閾値(Fig. 3の曲線d)は特定の評価項目(endpoint)において誘発されるリスクがゼロとなる被ばく量が存在することを意味する。有効な例としては放射線に誘発された非上皮性悪性腫瘍(sarcoma、結合組織に始まる悪性腫瘍)であり、低線量被ばくで観察されることは稀である(48)。非増殖結合組織細胞はその増殖(cycle)を刺激するには高い被ばく量を要することがその背後にある理由である。したがって、たとえば、放射線治療後には、二次的な非上皮性悪性腫瘍の有意なリスクは高線量ないしはその近辺(50Gy以上)の治療域に存在するものの、低いレベルで被ばくした離れた器官には存在しない(49, 50)。非上皮性悪性腫瘍と上皮性悪性腫瘍との異なるリスクパタンが原爆生存者にも生じており、骨がん死亡者の有意な増加は原爆生存者に観察されず(平均被ばく量200mSv、p=0.4)、しかし、上皮性悪性腫瘍、すなわちすでに増殖を起こしている細胞に始まるがんの有意な増加が明確に観察される(有意水準<10-4)。

 ホルミシス反応(Fig. 3の曲線e)は、仮に所与の放射線被ばく量が有害な評価項目(endpoint)における背景誘発を減少することがあれば、生じるものであるだろう。いくつかの動物実験は、低レベルおよび中レベルの放射線被ばく量が寿命を向上させ得ることを、すなわち潜在的なホルミシス反応を示唆する(レビューとして参考文献52を見よ)。低線量被ばくのケースにおいてしばしばあることだが、当該データはいくつもの意味に取れる曖昧なものである。すなわち、たとえば、Maisinら(53)は500mGyのx線急性被ばく後に138匹のC57BLマウスが比較群よりも平均50日長生きしたことを報告する。対照的に、Storerら(54)は同じ被ばくを受けた1,390匹のRFMマウスが平均で75日短命であったことを報告している。

 寿命の増加が観察された動物実験において、一般には寿命の増加は悪性疾患の減少を反映するものではなく、むしろ感染性および良性疾患による死亡の初期の減少を反映する(52, 53)。この発見は、それが事実だとして、寿命の増加が放射性関連のDNA修復機構への刺激(55)と結びつく可能性は低く、放射線に誘発された免疫機構(56)の強化と結びつく可能性が高い。

Fig.5 一般(正常)集団と比較して放射線由来の乳がんに極端に過敏な女性の小集団(0.25%)の潜在的な影響の図的表現.

下に凸な線量反応曲線(Fig. 3の曲線c)

 下に凸な(傾きが徐々に増加する)線量反応曲線(Fig. 3の曲線c)は、放射線に誘発された人間の白血病に対する急性被ばく線量反応関係 (2)、および染色体異常誘発についての急性被ばく線量反応関係(57)をうまく描写する。このような線量反応データは線形象限アプローチや関連する手法のようなメカニズム的に動機付けられたモデル(58)や異なる組換プロセス間の競合のモデル(59)に基づいて徹底的に分析されてきた。これらの下に凸な線量反応曲線のモデルは、一般には十分低いレベルの被ばくないしは線量率において、単純な線形モデルへと還元される(59, 60)。

 

 

まとめ

 50-100mSv(長期被ばく)あるいは10-50mSv(急性被ばく)を超える被ばく量については、ヒト集団から得られる直接の疫学的証拠は、なんらかのがんのリスクを放射線被ばくが増加させることを示す。Table 1は個人が被ばくし得る放射線被ばくの文脈にそのような数字を置いたものである。低線量被ばくに関する疫学研究に本質的につきまとう方法論的困難は、10mSv未満の被ばく量におけるヒト集団のがんリスクの直接かつ精確な定量が将来においても実現できることがないであろうことを示唆する。しかしながら、そのようなリスクを定量できないという私たちの無力さは、関連する社会的リスクが必ずしも無視できることを示唆するわけではない。極めて小さなリスクであっても、非常に多くの個人からなる集団に当てはめられれば、深刻な公衆衛生上の問題と成り得るのである。

 現状において、私たちは、極低線量の被ばくのリスク推定に使うべき適切な線量反応関係を確信することはできない。メカニズムに関する議論は極低線量被ばくのリスクについて線形の推定が適切であることを示唆するものであるが、そのような議論を極低線量被ばくにおいて検証することは容易でない。しかし、Fig. 3に示されるような代替的なモデルは、いくつかの評価項目(endpoint)には適用可能とはいえ、低線量被ばくや低い線量率における放射線による発がんの一般的な描写方法としては線形モデルよりも信頼できない。

 読者は、この論文がx線およびγ線の低線量被ばくリスクについて論じていることを思い出してほしい。密にイオン化された放射線に対して、つまりラドン娘核種からの放射線については、メカニズムによる証拠も疫学的な証拠も、低線量被ばくリスクの推定値モデルとしての線形モデルの信頼性に関して同じ結論を導いているように見える(61, 62)。

 まとめると、私たちの現在の既知の知識を所与とすれば、もっとも妥当な仮説は、x線ないしγ線の低線量被ばくによるがんリスクが被ばく量の減少と線形に減少する(比例する)というものである。上に凸な線量反応曲線(Fig. 2および4を見よ)に関する証拠の存在から照らして、線形仮説は必ずしも最も保守的なアプローチではなく、ときに示唆されるように(63, 64)、いくつかの被ばくリスクを過小評価し、またいくつかを過大評価する可能性が高い。実験的に基礎づけられ、定量可能かつ生物物理学的な議論に支持されていることを所与とすれば、中レベルから低レベルまでの被ばく量によるがんリスク線形推定は現状では最も適切な方法論であるようだ。

 

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