掲載日: 2025年9月10日 | 掲載誌: Cell Reports Methods
ゲノムデータプライバシーにおける新たな所有者ガバナンスシステムの提案
ゲノムデータの管理におけるプライバシー保護と利用者の主体的なコントロールを両立させる新システム「Governome」を提案。近年のシーケンス技術の進歩により、個人が自らのゲノム情報へ容易にアクセスできるようになったが、既存のデータ管理体制は不十分であり、プライバシー侵害やデータ共有の制限、研究の停滞を招いているとのこと。Governomeはブロックチェーンを用いて取引や権限を管理し、利用者にリアルタイムでのアクセス制御と使用状況の透明化が可能となるという。また、準同型暗号やゼロ知識証明を活用し、データのライフサイクル全体で暗号化と検証可能性を維持したまま解析を可能にする。実装試験では、個別変異の照会、コホート研究、GWAS解析、法医学的利用を1,000 Genomes Projectの2,504ゲノムで実証し、堅牢性と拡張性を確認したとのこと。