ヒトの皮膚細胞から卵子を生成する実証実験
本研究は、ヒト皮膚細胞から受精可能な卵子を作製できることを示した概念実証であり、不妊治療における新たな可能性を提示している。研究チームは、皮膚の体細胞核をドナー卵子に移植し、余分な染色体を除去する「mitomeiosis」と呼ばれる方法を導入した。その結果、82個の機能的卵子が得られ、精子と受精させたところ約9%が胚盤胞まで発生したとのこと。ただし、多くは受精後に発生が停止し、得られた胚には染色体異常も認められた。したがって臨床応用には安全性と有効性の検証が不可欠であるが、皮膚細胞を利用した卵子生成の実現可能性が初めて示された点で重要な一歩となるという。
【論文リンク】https://www.nature.com/articles/s41467-025-63454-7
【掲載誌】Nature Communications
【掲載日】2025年10月1日