2011年3月13日

東北地方太平洋沖地震の関連情報:有用リンク等 [3/17-17:43更新]

各専門家のコメントは、その時点の情報に基づいています。SMCで扱うトピックには、科学的な論争が継続中の問題も含まれます。新規データの発表や議論の推移によって、専門家の意見が変化することもありえます。記事の引用は自由ですが、末尾の注意書きもご覧下さい。

最新版アップデートがあります[3/20]

こちらをご覧下さい。http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=1266

 

科学的見地からの有用リンク

SMCでは、科学的に信頼できる情報を収拾し、リンクを随時更新していきます。皆様からの情報もお待ちしています。情報提供はサイトの問い合わせフォーム、あるいはTwitterの @smcjapan 宛によろしくお願いいたします。(問い合わせフォームの方が確実です)

また、研究者の方々による、ご専門分野を踏まえた現状分析の「肉声」も、現状の把握に役立ちます。ご専門にとっては当たり前でも、メディアが把握出来ていない事柄などがありましたら、問い合わせフォームなどからメッセージをお送り下さい。こちらで掲載し、ジャーナリストの方々にお伝えいたします。

健康情報・対策等に関しては、(独)放射線医学総合研究所の情報をご覧下さい

多くの健康に関する問い合わせを頂いております。また、インターネット上には多くのデマが飛び交っているようです。

健康情報に関しては、(独)放射線医学総合研究所が発表している情報が、一番精確ですので、こちらをご覧下さい:

http://www.nirs.go.jp/index.shtml

 

 

※問い合わせが殺到しているようですので、不要不急の問い合わせは避けるようにお願いします。

以下は3/16-12:00時点での同研究所の公開情報です:

2011年3月15日 一般的な除染の方法(水が利用できる方へ)  English PDF [43KB]
2011年3月15日 一般的な除染の方法(水が利用できない方へ)  English PDF [43KB]
2011年3月15日 <放射線被ばく等に関するお問い合せ電話番号>
現在呼び出し音が鳴っても誰も電話に出ないという状況が発生しておりますが、担当者がいないわけではございません。常に対応はしております。 電話の設定によりこのような状況が発生しており、大変ご迷惑をお掛けしますが、ご了承下さいますようお願い致します。
一般の方は、下記番号にお問い合せ下さい。(対応時間:8:30~17:15)
090-5582-3521
090-4836-9386

ただし、回線が十分に確保できていないため混み合うことが予想されますが、ご了承下さい。
2011年3月14日 ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません-インターネット等に流れている根拠のない情報に注意- 日本語PDF [11KB] Chinese PDF [87KB]  English PDF [57KB]
2011年3月14日 東北地方太平洋沖地震に伴い発生した原子力発電所被害に関する放射能分野の基礎知識
 日本語PDF [129KB]
2011年03月15日 医療機関用:「緊急被ばく医療標準カルテ」[PDF別画面 168KB]
 

 

 

 

安定ヨウ素剤以外を服用することは危険です

 

 

※被ばく対策でヨードチンキなどを薬局に買いに走る方がいらっしゃいます。下記の通り、専用に作られた安定ヨウ素剤以外は副作用を伴う可能性がありますので注意して下さい。
独立行政法人 放射線医学総合研究所「ヨウ素を含む消毒剤などを飲んではいけません -インターネット等に流れている根拠のない情報に注意-」
 
原子力安全委員会資料「原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の 考え方について」
 
「安定ヨウ素剤予防服用の考え方と実際」(「緊急被ばく医療研修のホームページ」より)
「(略)東海村の事故のときにヨードチンキを飲んだという方もいますし、それからうがい薬を飲んだ人、消毒用の石けんを飲んだ人もいます。それから、コンブをどれぐらい食べればいいのかですとか、自然食品の中に入っているヨウ素をどれぐらい食べればいいのかなど、実はいろいろな問い合わせが来ました。実際、我々の身近にヨウ素を含んでいる薬はどれぐらいあるのかを少し調べてみますと、ヨードチンキがあったり、うがい薬があったり、(略)基本的にはここに書かれているものは飲むために作ったものではありませんし、ヨウ素を体の中に摂取するために作ったものではありませんので、飲まないほうがいい、飲むべきではないというのが基本的な考え方ですが、それでも飲んでしまう人がいます。では、なぜ飲んではいけないのかということを、あまりこういう機会に触れることがないので少し触れさせてください。
(略:被ばく対策のために、安定ヨウ素剤以外を読んだ場合の健康影響に関する説明)
 ヨウ素製剤として、うがい薬を14.3cc(脚注:必要な量)も飲むのは結構大変なことで、とんでもないことだと思いますが、こういうことで飲むべきではありません。
 正しい安定ヨウ素剤以外を飲むことは非常に不合理で、ほかの健康影響が出るということを説明させていただきました。」
(編集・強調部分はSMCによる)

日本原子力学会の声明

日本原子力学会(AESJ)が3月14日付けの声明を発表しました:
「東京電力福島第1/第2発電所の事故について 放射線のレベルについて(公表されている放射線量はどのような意味を持つのか)」
 
[3/14-17:12]

MITの博士課程学生・Akio Kawasaki氏による解説

マサチューセッツ工科大学物理学研究科・博士課程のAkio Kawasaki氏が、3月13日付けで「東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力発電所の現状及びその理解に役立つと思われる放射能の知識」を公開されています(PDFファイル)

 

 

原発に関する情報のまとめ(一問一答形式)

「原発に関するQ&Aまとめ」としてまとめなおし、下記のページに移動しました。ご覧下さい。

国際原子力事象尺度について

各報道で、「福島第一原発で起こった事象はレベル4」と報じられていますが、「レベル4(JCO事故)」の基準は次の通りです:
文部科学省:国際原子力事象評価尺度(INES)
 

内科学会による情報提供:「内科医のための災害医療活動」

(社)日本内科学会が、「内科医のための災害医療活動」という連載企画の内容を、PDFで無料公開しています。一部には専門家向けの情報も含まれますが、ジャーナリストや一般の方が見ても役立つ情報も多数含まれています。下記にリンクを掲載致します。

 

●日本内科学会「【緊急掲載】 このたびの大地震に際しまして」

http://www.naika.or.jp/info/info110311.html

 

 

災害後の精神ケアに関して

災害後には、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などのケアが大切になります。こうしたケアに際して役立つ情報リンクをまとめていきます。
●日本精神衛生学会
 
●兵庫県こころのケアセンター「サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版」
 
●災害時の「心のケア」の手引き(PDF)
 
●渋井哲也(@shibutetu)さんが作られた「災害とPTSD」Facebookウォール(有用リンク集)
 
●渋井哲也(@shibutetu)さんが作られている「PTSDなどの相談に乗れそうな医療・福祉・心理従事者、ジャーナリスト、フリーライター、研究者」のリスト

 

 

その他の有用情報

サイエンス・メディア・センターのコンセプトに則り、「科学的に」事態を把握し、ジャーナリストが伝える上で有用な情報リンクをまとめていきます。
●東京大学・地震広報アウトリーチ室(特設ページ)
地震研究所で把握している最新公開データへのリンクなど
 
●福島周辺の風向き情報(気象庁・アメダス)
 
●福島第一、第二原発の非難半径地図と風向き
 
●国際レスキュー研究機構
※レスキューに関する研究成果などへのリンク

 

 

 

 

 

 

東北地方太平洋沖地震の関連情報:ツイッター上の専門家コメント

 震災直後は個々人の専門家のショートコメントが最大限に活用されておりましたが、情報の流通経路が確立されてきた現在、Twitterリストを情報源として提示することは、かえって誤解を招く危険性があると判断しました。従いまして、このリストへの誘導は削除させて頂きます。何とぞ御了承下さい(ログは残してあります)。

記事のご利用にあたって

マスメディア、ウェブを問わず、科学の問題を社会で議論するために継続して
メディアを利用して活動されているジャーナリストの方、本情報をぜひご利用下さい。
「Expert Reaction : 専門家コメント」「ホット・トピック」のコンセプトに関してはコチラをご覧下さい。

記事の更新や各種SMCからのお知らせをメール配信しています。

サイエンス・メディア・センターでは、このような情報をメールで直接お送りいたします。ご希望の方は、下記リンクからご登録ください。(登録は手動のため、反映に時間がかかります。また、上記下線条件に鑑み、広義の「ジャーナリスト」と考えられない方は、登録をお断りすることもありますが御了承下さい。ただし、今回の緊急時に際しては、このようにサイトでも全ての情報を公開していきます)
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記事について

○ 私的/商業利用を問わず、記事の引用(二次利用)は自由です。ただし「ジャーナリストが社会に論を問うための情報ソース」であることを尊重してください(アフィリエイト目的の、記事丸ごとの転載などはお控え下さい)。

○ 二次利用の際にクレジットを入れて頂ける場合(任意)は、下記のいずれかの形式でお願いします:
・一般社団法人サイエンス・メディア・センター ・(社)サイエンス・メディア・センター
・(社)SMC  ・SMC-Japan.org

○ この情報は適宜訂正・更新を行います。ウェブで情報を掲載・利用する場合は、読者が最新情報を確認できるようにリンクをお願いします。

お問い合わせ先

○この記事についての問い合わせは「御意見・お問い合わせ」のフォーム、あるいは下記連絡先からお寄せ下さい:
一般社団法人 サイエンス・メディア・センター(日本) Tel/Fax: 03-3202-2514

「東北地方太平洋沖地震の関連情報:有用リンク等 [3/17-17:43更新]」への18件のフィードバック

  1. みなさん 山口でホメオパシーに頼った助産師がビタミンKの投与を怠った結果、乳児が亡くなった原因であり、昨年、日本学術会議でその効能を否定されているカルト集団ともいうべきホメオパシー団体が以下のようなことを言い出しております。
    要注意です。

    >日本ホメオパシー医学協会

    >■東北地方太平洋沖地震/JPHMAから緊急対応のお知らせ

    >●JPHMAからのお知らせ
    http://jphma.org/gienkatsudo/20110311_miyagi.html
    >JPHMAでは、たくさんの被害の方が出ているこの緊急時、ホメオパシーレメディー>の無料提供をしています。
    >JPHMAとしてできる限り、貢献していきたいと考えております。
    >日本ホメオパシー医学協会 会長 由井寅子

    このいかがわしい団体が言うレメディーなどには全く効果ありません。

    PTSDにはすでにガイドラインに基づいた治療があります。的確な投薬療法と心理療法の併用です。

    いたずらにレメディーのような無効のものを使うことは有害無益です。効果の無いものを使うことで適切な医療をうける機会を逃してしまうことになります。
    人々の不安につけ込む日本ホメオパシー医学協会は許し難いです。

    是非、このような似非行為に走らないように適切な医療・心理ケアをご利用頂くようにご関係の皆様にお知らせ頂ければ幸いです。
                                               田代信久拝

  2. PsyPhd三羽 理一郎先生から断片的ではなくわかりやすく心理ケア(セルフケアも含め)解説してくださったものです。ブログその他に転載OKと三羽先生が了承してくださっていますのでご活用ください 田代信久拝

    」【はじめに】
    日本の、そして世界中にいる、今回の地震と津波に心を痛めている皆さまへ。

    私は現在米国加州でクリニカルサイコロジストとして働いている臨床心理学博士の三羽理一郎といいます。
    私も今回の大地震と津波、日本での多くの被害を聞き、大変なショックを受け悲しんでいます。

    しかし離れている自分にも何か出来ないかと地震後は、いろいろな心理関連の情報を日本語に翻訳し、発信してきました。
    それらの情報は賛同し協力を申し出てくださった方々によりさまざまなブログやツイッターなどでも紹介されています。

    情報を収集し翻訳しながら感じたのですが、こうした情報は多くの内容を簡潔にまとめざるを得ないために、読み手側に距離を感じさせるものとなりがちです。
    意味は通じても心に届きにくいというか、どこか他人事に聞こえてしまいがちというか。。。

    そのため、私は今回このメッセージ作成することにしました。
    私個人もそうなのですが、口語での語りかけの文面の方が読みやすい、理解しやすい方は、是非こちらから必要、または有用な情報を得てご自身でご活用なさってください。
    長文となってしまいましたが、少しでも多くの皆さんのお役に立てる事を心から願っています。

    【多くの皆さんへの強い影響】
    今回の地震および津波は、皆さんに対してこれまでにない大きな影響力を持っていると思います。
    規模や被害の大きさももちろんなのですが、ほぼ全国・広範囲に地震があり、多くの地域で今も物資や電力の不足が起こっています。
    また、メディアの発達で多くの情報が手に入り、今後まだまだ起こりうる地震への予断を許されない状況であることなどからこの問題は決して他人事とは言えず、そのためその影響力はかつてないものだと感じています。
    こうした理由により、今現在も被災地で必死に生き延びるために戦っている方々はもとより、今現在は安全な場所にいらっしゃる方々も、未だに多大な影響を受け、大変苦しんでいらっしゃると感じています。
    そうした皆さんのサポートために、今回のメッセージは作成されました。

    (続く)
    652011年03月15日 15:34
    りひ (続き)

    【気持ち・身体・考え・行動の理解】
    今回のような大惨事は、我々の日常というものを大きく破壊し苦しめます。
    皆さんも、さまざまな大変な思いをされているのではないでしょうか?

    ここでは、皆さんがどんなことに苦しみ、そしてそれにどう対処したらいいのかを学ぶために、それぞれ密接に関係しあう「気持ち」「考え」「身体」「行動」についてそれぞれに分けて考えていきたいと思います。

    【気持ち】
    まず、我々にはショックと共に大きな気持ちの変化が訪れてきます。
    皆さんも、さまざまな気持ちを経験しているのではないでしょうか?
    ここではまず、それを見つめてみましょう。

    「恐怖」「怯え」「不安」「落ち込み」「悲しみ」「孤独感」「罪悪感」「怒り」「憤り」「麻痺」「無感覚」「無力感」「絶望感」・・・さまざまなものがあり得ます。

    こうした気持ちを感じることは実はとても当たり前のことで、無理に打ち消したり否定したりする必要はありません。

    まずは、今自分にどんな気持ちが起こっているのかを見つめ、受け入れるところからはじめましょう。
    生じた気持ちについて、それが正しい、正しくないということは無いのです。
    「こんなことを感じては駄目だ」「こんな風に落ち込んではいけない」「不安なんか感じてはいけない」・・・こんな風に自分の気持ちを否定する必要はないのです。
    まずはあなた自身に起こっている気持ち、それらを認めて受け入れてあげる、それが何よりも大切なのです。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    私の経験では、まず地震を知って大変ショックを感じ、そのあと日本の家族や友人・知人の安否について不安になりました。
    皆の安全は確認されたのですが、今度は、そこでほっとしてしまった自分への罪悪感がわいてきました。
    まだたくさんの人が苦しんでいる中でほっとした自分への罪悪感と自己嫌悪です。
    また、亡くなってしまった方の数が増え他の付随する問題が明らかになるにつれ、だんだん悲しみと落ち込みの気持ちが強くなってきました。
    また、職場ではいつもよりも怒りっぽい自分がいることにも気付きました。
    患者さんと話していても、自分の忍耐力が普段より落ちていると感じていたのです。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    このように、自分自身に起こっている気持ちをまずは理解し受け入れていってください。

    【身体】
    あなたの心とからだは密接に関連しています。
    上にあるような強い気持ちは、当然身体面での変化もひきおこします。

    また、現在多くの皆さんは実際に身体面に負担のかかる生活をされているわけですから、さまざまな問題が生じても当然です。
    気持ちの時と同様、自分の身体面での変化に目を向けてみてください。

    「発熱」「発汗」「吐き気」「頭痛」「肩こり」「腹痛」「下痢」「食欲の変化(不振・過食)」「睡眠の変化(不眠・中途覚醒、悪夢など)」「めまい」「だるさ」「無気力感」「過度の興奮」「持病の悪化」「表情のこわばり」・・・このような変化が起こりうります。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    私の場合は、食欲が低下し、現在睡眠の質も若干落ちているように思います。
    そのため、食べやすいものを積極的に食べようとしたり、少しでもからだを休めたりしようとしています。
    また、体力維持とストレス緩和のためにスポーツジムに行って気に入っているクラスをとったのですが、楽しんでいるにもかかわらず、表情が強張っていました。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    こうした身体面の変化を軽視しておくとのちのちの深刻な問題を引き起こすことになりかねません。
    今のうちから、きちんと身体の変化にもアンテナをのばしておいて、早期の対応を心がけていきましょう。
    対応について詳しくは下で述べていきます。

    (続く)
    662011年03月15日 15:34
    りひ (続き)

    【考え】
    上では、気持ちや身体面に生じうる変化について書きました。
    そしてそれらの変化をそのまま見つめて受け入れ、その上で出来ることをやっていくことが大切だと述べました。
    皆さんは、自分の気持ちや身体の変化に気づき受け入れることが出来たでしょうか?
    少なくとも、そちらに意識を向けてみることができたでしょうか?

    今回、ここで注目していきたいのは、あなたの持つ「考え」についてです。
    気持ちや身体の反応とは異なり、あなたの「考え」については一歩立ち止まって吟味してみることが大切です。
    なぜならば我々の考えというものは、しばしば現実や事実に即さず、過度で否定的なものになりやすいからです。

    「日本はもう壊滅する」「もう終わりだ」「みんな死ぬ」「自分だけが安全でいて申し訳ない」「自分なんて生きている価値は無い」「苦しんでいる人がいるのに楽しいことなんてすべきじゃない、」「誰も助けてなんかくれない」「何をやっても無駄だ」「誰も自分たちのことなんて気にしやしない」「自分は一人ぼっちだ」「自分に出来ることなんて何もない」「みんな自分勝手だ」・・・などなどの極端で否定的な考えを持ったりしませんでしたか?

    このような考えを持ってしまうことは、普通のことです。
    上で挙げられた「恐怖」「怯え」「不安」「落ち込み」「悲しみ」「孤独感」「罪悪感」「怒り」「憤り」「麻痺」「無感覚」「無力感」「絶望感」などは、こうした考えと密接に関係し、こうした考え方のせいで、それらがどんどん悪化していくことにもなりかねません。
    あなたはどうでしょうか?
    そのような経験をしてはいませんか?

    どうかぜひゆっくり何度か深呼吸をして落ち着いてみてから、もう一度あなたのこうした考えについて吟味してみてください。
    落ち着いてあたりをよく見渡してください。
    生き延びようと必死で努力している人、そういう人たちを助けようという人、あなたを気にかけている人、あなたの助けを待っている人たちがいることを思い出してください。
    あなたは、そして我々は決して一人ぼっちではないのです。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    震災の当初、私の「考え」は、「自分はこんなに離れているところにいるから何も出来ない無力な存在だ」でした。
    そのせいで、自分の「無力感」「孤独感」「罪悪感」が悪化していました。
    今はそれを吟味し、「出来ることは限られているが自分にもやれることがある」という考えになっているため、こうした「無力感」「孤独感」「罪悪感」というものを減少させることが出来ました。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    自分の気持ちや身体の反応は当然のものとして受け入れると共に、もしかしたら自分の考え方は極端、または偏っているかもしれないという吟味の姿勢を持ち続けることがとても重要です。

    (続く)
    672011年03月15日 15:34
    りひ (続き)

    【行動】
    さて、これまであなたの気持ち、身体、考えについて説明してきました。
    ここまでのところは理解いただけたでしょうか?
    こうした大災害によって、あなたの気持ち、身体、考え方は大きな影響を受けました。
    その結果、当然あなたの行動にも変化が起こるかもしれません。

    「記憶・集中力・判断力の低下」「ボーっとする」「同じことを考え続ける」「落ち着けない」「攻撃的となり、喧嘩や口論をする」「泣く」「引きこもる」「ニュースを見続ける」「何もしない、何もできない」「仕事に手がつかない」「飲酒喫煙、違法ドラッグの使用」・・・さまざまな行動面の変化がありえます。

    当然ですよね。
    こんなにいろいろ大変なことになっているのに、そのまま普段どおりの生活を当たり前に出来るわけがないんです。

    ある意味、こうした行動は、苦しんでいる自分自身を守るために生じています。
    傷つきを感じなくなるように麻痺させたり、抱えきれない気持ちを爆発させたり。。。
    ただこれは意識的に選択している行動ではないため、周囲との適応に欠けるものになりがちです。
    そのため、さまざまな問題が起こりうります。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    私の場合は、「ボーっと」なり、「集中力・判断力の低下」が起きています。
    今日も仕事のあとに運転していて、うっかり横から来る車を見落とし事故になりそうでした。
    普段より、ずっと周囲への意識が低下しているようです。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    このような行動面の変化にも着目し気をつけていってください。

    上記の「考え」、そして「行動」が、特に皆さんが改善しやすい部分です。
    ここに焦点を当て、出来ることから良い変化を起こしていきましょう。

    【心身の健康を維持、そして改善していくために】

    こんな時、「自分が出来ることなんて何もない」「自分は無力だ」等思っていませんか?

    そんなことはありません。
    あなたにも出来ることが沢山あります!
    それをここでは説明していきます。

    これまで、ご自身の気持ちと身体の反応、自分の偏っているかもしれない考え方、不適応な防衛行動などを説明してきました。

    実はこれらは密接に関連しているため、扱いやすいものから向上させることで、他のものまで改善させていくことができます。

    自分の状態を理解し、その限界を見極める。
    そして、出来ることからまずはじめていきましょう。

    ◎まずは日常のケアです。
    からだが何よりの資本。
    ともかく自分の日常を取り戻すことが大切です。
    夜寝て朝起きて、三食きちんと食べて、出来るだけ清潔にして、なるべく運動する。
    こうした、「当たり前」の日常を取り戻すことは、実はとても大切なことです。
    それはあなたに落ち着きとエネルギーを与えてくれるでしょう。
    出来るだけ普段の日常に戻すことを、ぜひ試みていってください。

    また、お酒、暴食などでストレスを紛らわそうとすることは、一時的な緩和になるかもしれませんが、長い目で見るとからだに悪影響を与え、それが気持ちや行動にも悪影響を与えます。
    出来るだけ、健康的な方向で改善をおこなってみてください。

    ◎自分のための楽しい時間を持ちましょう。
    あなたの心やからだは大変疲弊しています。
    もちろん、被災地で苦しんでいる方々のことを思うと休むこと・楽しむことには罪悪感がわくかもしれません。
    しかし、あなたの疲弊した心身をいたわることは、今後の長丁場を無事に乗り切るために必須なものとなります。
    だからこそ、一日の内少しでも自分のための時間を作り、趣味などを楽しむようにしてください。
    こうした時間はあなたの低下したエネルギーを充電するのに役立ちます。

    また、震災のニュースを見続けることは、心配・不安であるため仕方がないのですが、あなたの気持ちに負担をかけ続けます。
    時間を区切って、あまり見過ぎないようにしてください。
    そしてそれを見ない時間は、自分のために使ったり、家族や友人との楽しい時間を過ごすようにしたりしてください。

    (続く)
    682011年03月15日 15:35
    りひ (続き)

    ◎考えの吟味
    上でも述べたように、極端で否定的な考え方はあなたの気持ちや身体、行動に大きく悪影響を及ぼします。
    常に自分の考え方に意識を向け続け、極端なものとなっていないか確認してください。

    例えば「罪悪感」を引き起こす考えです。
    「自分だけが安全で悪い気がする」「こんな時に楽しむべきじゃない」「自分はみんなほど辛くない」など、とてもよく起こりうる考えですが、この考えは何の助けにもなりませんし、事実でもありません。
    またそのせいであなたの心身が疲弊し、仮に病気にでもなった場合、逆に貴重な医療者の力、薬品、人材力を失うことにもなってしまいかねません。
    あなたにはあなたの役割があり、被災者やレスキューの皆さんと同様になる必要はないのです。
    というより、それは避けていかなければなりません。

    ひとつぜひ持って欲しい考え方は、「自分は自分の出来ることをするのが大切である」です。
    被災地で救助に当たっている人たちだけが、今ここで重要なのではないのです。
    あなた方ひとりひとりが、自分とその周囲をケアし大切にすることで、日本全体の回復・復活に役立ちます。
    あなた方ひとりひとりがくじけないことが、全体としての力となります。
    なので、あなた個人のがんばりと健康維持は、日本全体に大きく貢献します。
    そのことをいつも忘れないでいて下さい。

    ◎気持ちをほぐす方法
    震災に反応して生じる否定的な気持ちを認め受け入れることは、それ自体あなたの心を楽にしてくれます。

    またそれに付け加えて、他にもいろいろとそうした気持ちを楽にする方法があります。
    あなたの体と心は密接にかかわっているため、身体面からアプローチしていくのです。
    そうやって気持ちをほぐすことはまた、身体の状態をも改善してくれます。

    ・何度かゆーっくり深呼吸を行なうこと。
    ・体の節々をストレッチングで伸ばすこと。
    ・ヨガ
    ・お風呂(*可能であれば)
    ・マッサージ
    ・瞑想

    などなど。

    こうした方法を用いて、あなたの気持ちをほぐしてあげて下さい。
    ずっと楽になります。

    ◎気持ちを表現することの大切さ
    気持ちは、身体や考えや行動に関係してきます。
    そのため、こわばった気持ちをほぐしたり、楽にすることは、他の部分を改善することにもつながります。
    気持ちは押さえつけると爆発するか、身体を蝕むため、安全な場で適切に表現していきましょう。

    ・自分自身でそれを認め受け入れる
    ・話を聞いてくれようとする近しい人に、気持ちを話す
    ・日記や文章で感じるままに書く
    ・絵画、音楽、ダンスなどを通じて思いを表現する
    ・セラピストに話す
    などなど。

    あなたの気持ちはどんなものでも、あなたの大切な、気持ちです。
    無視したり押し込めたりするのではなく、それを受け入れて大事に表現していきましょう。

    ◎「怒り」の気持ちの理解
    多くの人が、怒りや憤りを感じています。
    政府や不適切発言をした人間、メディア、上司・同僚や家族に対しての怒り、憤り。
    こうした気持ちは、実はあなたの感じているストレス、そして何も出来ないまたは出来ることが限られていることからくる無力感などから生じているかもしれません。

    怒りは怒りを生み、負の連鎖につながります。
    しかし今我々に必要なのは、怒りのつながりではなく、サポートのつながりです。
    上で書かれたような方法で、あなたの怒りをほぐしていってください。
    自分の無力感やストレスを認め受け入れることで、少し楽になるかもしれません。

    ◎他者との協力、ケア
    これまでは主に、個人のケアについて説明されています。
    しかし我々は、苦しんでいる他者、特に被災者のために何か出来ないかと感じ、悩みます。

    あなたの出来ることとはなんでしょうか?

    被災地でのボランティアは、よほどの特殊技能がない限り、救助よりもその阻害になってしまいかねません。
    物品の送付も、必要とされているものを必要とされている方法にのっとってきちんと行なわない限り、現地での助けとはなりません。

    実際に可能なのは寄付や献血です。
    これらはきっと助けになります。
    ただし短時間で済むことなので、こうした心を落ち着かせることには足りないかもしれません。

    (続く)
    692011年03月15日 15:35
    りひ (続き)

    何も出来ないでいると、上にも書いたような罪悪感や自責の念を持ってしまったりもします。
    では、どうしたらいいのでしょうか?

    まずは自分自身の健康を保つこと。
    これが一番大切です。
    日常を取り戻し、自分のために時間をとり、考えを吟味し気持ちをときほぐす。
    こうしたことを通じて、貴重な人材や資源を必要なところにまわすことが出来、また、必要に応じてあなたの力を役立てられるようになります。
    そのため、ともかくまずは自分と家族のケア、これを忘れないでください。

    他には、身近な人のサポートをしていってください。
    話を聞いてあげるもよし、料理を差し入れるのもよし、マッサージするのもよし、持っているものを分け合うのもよし、こういう情報をコピーしてシェアするのもよし。。。
    何でも良いんです。
    必要とされていることを見出したら、出来ることをする。
    これがとても大切なんです。

    考えてみてください。
    もし100人が周囲の5人の人たちをサポートしてみたら、それだけで自分たちを含む600人が幸せになります。
    その600人でまた5人の人をサポートしたら、いったい何人になるでしょうか?
    そしてまたその人たちが他の人たちをサポートしていったら・・・?
    あなたの身近なサポートと幸せは、全体の幸せへとつながります。
    どうか、被災者を救助できない自分を責めることはやめてください。
    かわりに、あなたの周囲の人たちを出来る限りサポートしていってください。

    ◎それでも何かしたい人は、ぜひ、「祈り」ましょう。
    私も特に宗教は持っていませんし、特定の宗教にこだわる必要はありません。
    しかし、我々の祈りは、力です。
    怒りや悲しみや憤りの気持ちよりも、傷ついている人を想う祈りの方がきっと何かの力となる、そう私は信じています。
    朝起きた時と寝る前と食事の時、または毎時間ごと、どんな風でもかまいません。
    祈りましょう。
    我々の集まった願いは、きっと助けとなりますから。。。

    【自分へのキーワード】
    自分自身を奮い立たせる何らかのキーワード。
    こうしたものを持つことは、くじけそうになった時、元気を出したい時に役に立ちます。

    「私はまだまだ大丈夫」「私にはたくさんの大切な人がいる」「日本の復興を信じてる」「誰も私たちをくじけさせることは出来ない」「私たちは何度でもよみがえる」「俺の強さをなめんな」
    などなど、なんでも良いのです。
    あなたの心に力を与えてくれる、そういうキーワードを見つけて、それを支えにしてください。

    ちなみに私のキーワードは、「こんなものに、俺らは、決して負けやしない」です。

    以上が、今回皆さんに知って欲しかったことです。
    長文となってしまいましたが、大切な情報、必要な情報を出来る限り入れるようにしました。
    どうか一人でも多くの方がこうした情報を利用して負担を軽減させ、元気に過ごしていけるよう。
    心から願っています。

  3. 各位 下記参考となりそうなURL集です。知人の臨床心理士Kitagawa.MAが中身を吟味してくれており信頼が出来ます。

    ●こころの健康通信<臨時号>(1ページ)
    http://kobaken-shizuoka.cocolog-nifty.com/blog/files/kokoro.pdf

    ●リーフレット:トラウマの理解とこころのケア(1ページ)
    http://kokoro-osaka.jp/info/crisis/ptsd.pdf

    ●リーフレット:子どものトラウマとこころのケア(1ページ)
    http://kokoro-osaka.jp/info/crisis/ctrauma.pdf

    ●子どもの心のケアのために(16ページ)
    http://jpa.umin.jp/download/kokoro/PTSD.pdf

    ●災害時の「こころのケア」の手引き(20ページ)
    http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/chusou/video/leaf/files/saigai.pdf

    ●災害時地域精神保健医療活動ガイドライン(32ページ)
    http://www.ncnp.go.jp/nimh/pdf/saigai_guideline.pdf

    ●サイコロジカル・ファーストエイド 実施の手引き 第2版(88ページ)
    http://www.j-hits.org/psychological/pdf/pfa_complete.pdf

  4. 日本トラウマティック・ストレス学会:大震災支援情報サイト
    心理的支援(こころのケア)を行うために必要な情報を集めたサイトです。
    【はじめに】
    心理的支援(こころのケア)は、今回のような大災害の場合には、とても重要な長期的支援の一つです。しかしながら、支援の方針・方向性を定めないままに複数のチームが現地に向かうと、被災地をかえって混乱させてしまうことになりかねません。また、被災地での受け入れ態勢や、計画や情報が不十分な状態で先んじて活動しようとすると、最悪の場合、被災地に害を与えかねません。災害の影響は、直後の混乱期を過ぎてからも長く続きます。心理社会的な支援活動は、地域社会に根ざし、持続可能なものであることが望ましく、これを立ち上げるには被災地の十分なアセスメントと準備が必要になります。
    厚生労働省のガイドライン
    http://www.ncnp.go.jp/nimh/pdf/saigai_guideline.pdf
    【活動の基本的な態度】
    災害発生後早期(直後~4週間程度)に推奨されている心理的な支援法は「サイコロジカル・ファーストエイド」です。サイコロジカル・ファーストエイドは、治療を目的とした介入法ではありません。被災者に関わるすべての救援者、支援者にとって必要とされる基本的態度と、被災直後の苦痛を和らげるための介入方法をまとめたものです。
    *「サイコロジカル・ファーストエイド実施の手引き」は、兵庫県こころのケアセンターのウェブサイトで入手できます。
    http://www.j-hits.org/psychological/index.html

  5. 兵庫県立大学大学院看護学研究科
    21世紀COEプログラム
    兵庫県立大学看護学部の松岡千代准教授の研究チームは、阪神・淡路大震災の教訓を生かして以下のようなパンフレットを作成された。
    高齢者の皆様にとって、避難所での生活は、様々な不自由がある一方、周囲への気兼ねや遠慮から、我慢をしてしまいがちになります。さらに災害後の疲労やストレスが重なることで、健康を損ないやすくなります。
    このリーフレットは避難所で起こりやすい健康上・生活上の問題と、その対処方法をまとめました。災害からの復興に向けて、このリーフレットを役立てていただければ幸いです。

    パンフレットは以下のアドレスからもご覧いただけます。

    http://www.coe-cnas.jp/group_senior/manual/pdf/senior_hinanjyo.pdf

    また上部サイトでも詳しく解説されています。
    http://www.coe-cnas.jp/

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