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日本近海のサンゴの減少と北上:専門家コメント

 

Ver.1.0 (Updated: 110405-17:00)

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<SMCJ発 ホット・トピック>

「日本近海のサンゴの減少と北上」専門家コメント

 日本近海では海水温の上昇などによるサンゴ礁が減少が度々報じられています。一方で、一部のサンゴが北上してるとの報告も見られます。この点について、サンゴ礁の専門家、加えて、サンゴ礁を生息域にする魚類の専門家にもコメントをいただきました。

 

 

○ 深見 裕伸(ふかみ・ひろのぶ)准教授

宮崎大学 農学部(海洋生物遺伝学、海洋生物分類学など)

Associate Professor Hironobu Fukami, Faculty of Agriculture, University of Miyazaki

 

 サンゴという言葉を聞くと、サンゴ礁の他に、朱や白の高級装飾品を思い浮かべる人もいることでしょう。あるいは、柔らかい体を持つソフトコーラルを思い浮かべる人もいるかもしれません。しかし、ここで述べるサンゴとは、装飾品の材料となる宝石サンゴやソフトコーラルではなく、イシサンゴと呼ばれる炭酸カルシウムの骨格を持つもので、その中でも浅い海に生息し、体内に非常に小さい藻類(共生藻)を共生させているグループについてです。ちなみに、この共生藻は光合成により作りだした栄養分をサンゴに与えているため、この共生藻がいなくなってしまうと、本体であるサンゴは長く生きてくことができません。

 まず、日本近海のサンゴの減少について説明します。沖縄周辺では1998年の高水温に伴い非常に多くのサンゴで白化(体内の共生藻がサンゴからいなくなってしまう状態)が起こり、その後白化から回復できなかった多くのサンゴが死んでしまいました。さらに追い打ちをかけるようにサンゴを好んで食べるヒトデ(オニヒトデ)が大発生し、大きな被害を受けています。そのため、1998年以前と現状とを比較するとサンゴが減少しているのは確かでしょう。昔の沖縄周辺の海で泳いだことがある人は、当時そのサンゴの多さに感激し、そして現状を悲しんでいます。ただ、サンゴは皆さんが想像しているよりも結構たくましい動物なので、環境が良い状態で安定すると5年から10年でかなりのサンゴが戻ってくると考えられています。一方で、最近は毎年のように夏には高水温になるため、白化によるサンゴへの影響が心配されています。そのため、高水温とオニヒトデ対策が重要になってくるのですが、自然が相手なのでなかなか良い解決策が見つからないという状況です。

 では、次に最近よく耳にするサンゴの北上について説明します。これには、まず、温暖化が叫ばれる以前に、これまで日本のどの辺りまでサンゴが生息していたのかというのを知る必要があります。日本でサンゴが有名なのは沖縄から鹿児島周辺海域ですが、実はかなり北の方までサンゴは生息しており、太平洋側での北限は千葉県、日本海側での北限は壱岐・対馬(1-2種は福井県や新潟県でも見られます)となります。なんと宮崎県、高知県、和歌山県などでは100種以上ものサンゴ(ちなみに沖縄では300種以上)が報告されていて、テーブルサンゴの大群落なども見られます。理由としては、これらの地域では、非常に暖かい暖流である黒潮や対馬海流が沿岸を流れているためです。ただ、これら沖縄より北(ここでは温帯域と仮に呼びます)に生息しているサンゴの多くは、沖縄周辺のものとは種が異なり、温帯域に特化しています。暖流が流れているとはいえ、さすがに沖縄と比べると寒いので、低水温に強い種が温帯域で頑張って生きているのです。

 さて、サンゴの北上は起こっているのかということですが、ほとんど起こっていない、もしくは起こりつつあるというのが正しいでしょう。サンゴ自体はここで書いたようにもともと温帯域に多く見られます。では、なぜサンゴが北上しているという話を聞くのかというと、沖縄でしか見られなかったような種が最近これら温帯域でたまに発見されるようになってきたこと、また、和歌山県くらいまでしか見られなかった種が静岡県や千葉県の方まで見られるようになってきたことが原因でしょう。ただ、この結果を全て温暖化(水温上昇)で説明するのは危険です。

 様々な場所での観測結果から冬場の平均水温が上昇しているのは確かです。それによってこれまで生きていくことができなかった種が温帯域で生き残ることができるようになった可能性は高いでしょう。サンゴの多くは卵と精子を海水中に放出し、それらが受精し幼生となり数日から数週間浮遊するといわれています。そのため、沖縄方面で生まれた幼生が黒潮などの流れにのって温帯域までたどり着く可能性は十分あります。特に、年々南方の種が温帯域で増加するのであれば、それはまさに冬場の水温上昇が大きな原因の1つでしょう。ただ、実際にはこのような報告はあまりありません。時々報告されるのは、温帯域で南方系のサンゴが1つだけ見つかったというものですが、こちらはたまたま低水温に耐えることができ、さらに運よく成長したものを見ている可能性があります。しかも、近年、サンゴ調査がよく行われているため、これまで発見されていなかった南方種が見つかるようなってきたことも要因でしょう。

 加えて日本は、南方系のサンゴの北上と水温上昇の関係を正確に知るのは困難な場所です。上述したように、温帯域の太平洋沿岸は黒潮の影響を非常に強く受けます。しかし、数年に一度の割合で黒潮は蛇行し沿岸から離れます。それが冬場に起こると水温は一気に下がるため、例えサンゴが南方から移入してきたとしても多くは死んでしまいます。このように、日本沿岸では温暖化に関わらず南方系の種が温帯域で長く生存し続けるのは実際には困難なのです。

 ただ、もし黒潮が蛇行せず、冬場の水温がこのまま上昇していくなら、今後、温帯域において南方系の種が増えていくことは間違いないでしょう。そうなってしまうと、今度は温帯域に元来いた種がいなくなってしまう(南方種に置き換わってしまう)可能性もあるため、温帯域のサンゴの希少性を研究している私としてはそうならないことを祈るばかりです。

 

 

 

 

○ 栗原 晴子(くりはら・はるこ)助教

琉球大学 亜熱帯島嶼科学超域研究推進機構(海洋生物、海洋酸性化、気候変動、海洋生態系、石灰化生物、サンゴ礁域など)

Assistant Professor Haruko Kurihara, Transdisplinary Research Organization for Subtropics and Island Studies, University of the Ryukyus

 

 近年、気候変動に伴う温暖化や土地開発、オニヒトデによる食害などにより、沖縄のサンゴはもとより、世界中でサンゴ礁の衰退が叫ばれています。その一方で、最近温暖化によりサンゴが北上し、九州や紀伊半島など、これまでは見られなかった場所でサンゴが多く見られるようになったことが話題となっています。

美しいサンゴ礁でダイビングを楽しみたい人達にとっては、これは一見朗報と思われるかもしれませんがしかし、事はそう単純ではありません。なぜなら、これまでサンゴが生息していなかった場所にサンゴが増えるという事は、元々その場所に生息していた生き物や生態系が変化してしまう事を意味するからです。

 例えば、本州の沿岸では海藻などが藻場を形成し、多くの稚魚や甲殻類などの重要な隠れ場所や生息場所となってきました。しかし、サンゴが増加することによって、これら海藻が減少してしまう可能性が考えられます。近年ウニの食害により、海藻が激減する現象(磯焼け)が問題となっていますが、このような磯焼けした場所にサンゴが一度定着してしまうと、海藻は再び生息する事は出来なくなってしまいます。従って、サンゴが増える一方で藻場は減少し、多くの魚や甲殻類なども生息できなくなくなってしまう可能性があります。これら生物には、水産学的にも重要な種が多く含まれるため、我々の食生活にも大きく影響することが考えられます。

 一方、サンゴもまた、サンゴ礁域に生息する様々な生物の重要な生息の場としての機能を果たしてきました。しかし、温暖化などによるサンゴの白化により、これら生物の多くは生息場所を失ってしまいます。さらに、サンゴの北上と共に、これら生物が北上するとは限らないため、これまでサンゴの周りに生息していた色とりどりの生物が失われてしまう可能性が考えられます。つまり「サンゴ」の北上は、「サンゴ礁生態系」そのものの北上を意味する訳では無いのです。従って、サンゴが本州で見られるようになったという事を、手招きで喜んでいる訳には行かない問題かもしれません。

 

 

 

 

○ 中嶋 亮太(なかじま・りょうた) 助教

創価大学 工学部 環境共生工学科(サンゴ礁生態学、プランクトン生態学など)

Assistant Professor Ryota Nakajima, Department of Environmental Engineering for Symbiosis, Faculty of Engineering, Soka University

 

 サンゴの減少と北上という事実をどう理解すればいいかということですが,これはつまり地球温暖化で,海水温が上昇しているからサンゴが減少していると言われているのに,北上して分布を広げているのは矛盾じゃないかという疑問だと思います。

 海水温が上昇してサンゴが減少しているのも事実ですし,サンゴの分布域が北上しているのも事実です。しかしサンゴが減少しているのは,すでにサンゴがもともとたくさん生息している熱帯・亜熱帯海域での話で,北上している話はもともとサンゴがいなかった温帯域での話です。

 北上の話から先に述べますと,サンゴが生息できる場所は一般的には水温が18度以下にはならないところです。また年間の平均水温が20度を切らない場所という話もあります。そういう場所は普通は亜熱帯や熱帯しかありません。しかし温暖化が進み海水温が上昇すると,平均水温が20度を超える場所が温帯域でも局所的にでてくるわけです。単純に考えれば,温暖化で海水温が上昇すれば,それだけサンゴが住めるエリアが北上するのはあり得ることです。現在は日本の駿河湾内の内浦湾に生息するサンゴが世界最北だと認識しています。最近サンゴ分布の北限だと言われていた千葉の館山よりも緯度は高いです。

 では海水温が上昇してサンゴが減少している理由は?となりますが,この話はもともとサンゴが生息できる熱帯・亜熱帯域で起きている話です。フィリピンや沖縄などの熱帯や亜熱帯の水温が18度以下になることはめったにないような海域です。このような熱帯・亜熱帯ではむしろ温暖化のせいで水温が高くなりすぎることが問題です。海水温が上昇して,いつもより高水温の時期がある一定期間以上続くと,サンゴに共生して生活している藻類(共生藻や褐虫藻といいます)が逃げ出してしまいます。植物である藻類がどうやって逃げれるのかと思うかも知れませんが,この藻類は渦鞭毛藻といって,鞭毛を持ってますので,これで水を搔いて泳ぐことができます。暑くて耐えられないと思うとこの共生藻が逃げ出してしまい,サンゴは真っ白になってしまいます(いわゆるサンゴの白化現象です)。共生藻はサンゴの肉の中に住んでいますが,サンゴの肉1ミリ立方メートルあたりに約3万の共生藻が生活しています。サンゴの肉はもともと透明ですが,共生藻に色があるため,サンゴは色とりどりの鮮やかな色に見えます。共生藻が抜けると,サンゴの透明な肉から白い骨が透けて見えるためサンゴが真っ白に見えます。最近の報告では共生藻が抜けると言うよりはサンゴの体内で死滅してしまうとも言われています。サンゴは共生藻が光合成で作り出した有機物をもらって生活していますから,共生藻がいなくなってしまうと成長が鈍くなってしまいます。海の環境が良くなれば(つまり水温がいつもの温度に戻れば),共生藻も戻ってくる(あるいは復活する)ので通常通りサンゴは生活できますが,ある期間よりも長く高水温が続くと,共生藻が戻らない(あるいは復活しない)ためサンゴは死んでしまいます。最近では去年の6月頃にタイで大規模なサンゴの白化現象が報告されました。

 ご紹介いただいた沖縄のサンゴ減少についての記事で,「優占するサンゴを種別類に見ると,高水温に強くオニヒトデに食べられにくいといわれるハマサンゴ属が最も多かった」と書いてありますが,ハマサンゴは他のサンゴにくらべて,ポリプ(イソギンチャクみたいなものです)が大きいため,餌を捕まえる能力に長けています。サンゴは刺胞動物の仲間で,クラゲやイソギンチャクの仲間です。ポリプの触手をつかって餌のプランクトンを捕まえます。サンゴは共生藻から栄養をもらって生活していますが,自分で動物プランクトンなどの餌を捕まえて食べることもします。餌を捕まえる能力が高ければ,共生藻から栄養をあまりもらえなくても生き延びやすいと言うことです。つまりハマサンゴは水温が上がって共生藻が逃げても別の餌を獲得できる能力が高いので生き延びやすいと考えられます。

 余談ですが,サンゴ礁でサンゴが減少している理由は水温の上昇のほかにもいくつも考えられています。私が真っ先に影響していると考えている原因は海水の富栄養化です。ここでいう栄養は窒素やリンです。もともとサンゴ礁の海は栄養が非常に乏しい「貧栄養」な海です。貧栄養なので,海水中には栄養がないために植物が生きることが難しく,海の植物である植物プランクトンはほとんどいません。海の色は植物プランクトンの量で決まりますから(植物プランクトンが多いほど海の色は濃くなる),植物プランクトンが少ないサンゴ礁の海は水が透明です。ではサンゴに共生している共生藻はどこから栄養をとっているかとなりますが,共生藻はサンゴ自身の排泄物を利用しているので貧栄養なサンゴ礁でも問題なく生活できます。しかし人間や家畜の生活排水が海に流れてくると,もともと貧栄養の海にたっぷりの栄養が加わるわけですから,しかも水温は高くて太陽光も強いとなれば,ここぞとばかりに藻類が繁茂します。ここでいう藻類は水槽の中でガラスに付着しているコケのような藻類です。この藻類が急激に成長するので,岩の上を覆ってしまい,伸びた藻類の陰に隠れてサンゴに共生する共生藻は光合成ができなくなりますし,サンゴの赤ちゃんが新たに岩の上に付着しようとしてもすでに藻類は岩の上を覆ってますから時すでに遅しです。発展途上国のいくつかの国では下水処理などほとんどされていないのでサンゴ礁の海に垂れ流し状態です。だんだんとサンゴは弱り,ますます藻類に覆われていきます。ハワイでの有名な実験によれば,排水の垂れ流しにより富栄養化したサンゴ礁には藻類がはびこっていましたが,排水を止めてからは,徐々に藻類が減って,サンゴが回復したという報告があります。

 話がそれましたが,温暖化によるサンゴの減少と北上という事実をどう理解すればいいかというと,熱帯・亜熱帯では,温暖化により水温が高くなりすぎることが原因でサンゴが減少し,温帯域では温暖化による水温の上昇でサンゴの住める場所が増えてきた(北上が可能となった)と言うことです。

 

 

 

 

○ 須之部 友基(すのべ・ともき)准教授

東京海洋大学 水圏科学フィールド教育研究センター 館山ステーション(魚類学、行動生態学など)

Associate Professor Tomoki Sunobe, Tateyama Station, Field Science Center, Tokyo University of Marine Science and Technokogy

  ※須之部准教授は、サンゴの北上の魚類への影響について語ってくれました。

 

 地球温暖化に伴い熱帯性魚類の分布が北上しているかどうかですが,ここ3年間の私たちのモニタリング調査ではそのような兆候は見られません.熱帯性魚類が温帯部に定着できないのは冬季の水温下降によるものですが,私が勤務する館山でも最低水温は12度を記録し,今のところ冬を越すのは不可能と思われます。

 黒潮の方向によって水温は変化しますので,局所的な水温上昇によりたまたま熱帯性の魚類が越冬できてしまうこともあります.しかしこれがグローバルな温暖化と因果関係があるかどうかは慎重に検討すべきです。また,温帯に分布する魚類でも熱帯にいるようなきれいな種や,熱帯から温帯まで広く分布する種がいるので地球温暖化による分布拡大と勘違いすることがあります。

 サンゴの分布の北上が話題になっていますが,熱帯性魚類の中にはサンゴを餌とする種類がいます。したがってサンゴと共にサンゴ食魚類の分布が拡大する可能性はあります。

 気候変動による生物の分布拡大の問題は100年単位で考える息の長い研究が必要です。

 

 

 

 

○ 瀬能 宏(せのう・ひろし)専門研究員

神奈川県立生命の星・地球博物館(魚類分類学、生物地理学など)

Dr. Hiroshi Senou, Kanaga Prefectural Museum of Natural History

  ※瀬能博士は、サンゴの北上の魚類への影響について語ってくれました。

 

 造礁サンゴの北上は、海水温の上昇傾向と深い関係があるとの説に疑う余地はないように思います。海水温の上昇に占める人為的な地球温暖化の影響の割合はさておき、固着性でポリプの無性生殖によって成長するサンゴ群体の存在は、そこに長期間定着していることの証明でもあります。サンゴは海水温変動の優れた指標生物と言えるでしょう。それではサンゴの北上に伴ってサンゴ礁性魚類も分布を北へ拡げているのでしょうか?海中で自由生活を送り、有性生殖で増える魚の場合、事はそう簡単ではありません。例えばある魚がある地点にいたとして、その魚がそこで生まれたとは限りません。多くの魚は卵や仔稚魚の時に海流によって移動し、適当な場所にたどり着いて成長するからです。また、ある地点である魚が産卵したとして、その子どもがその場所で成長するとは限りません。同じ理由で移動してしまうかも知れないからです。つまり、串本の海に見られる魚の故郷は高知の海にあるかも知れず、串本の海で産卵した魚の子どもは伊豆半島で成長しているかも知れないのです。ある魚がある場所に定着したかどうかを判定するためには、親子関係を把握し、その子どもがまたその場所で繁殖するのかどうかまで突き止める必要があります。単に種数や個体数の増減だけをある地点で見ていても、魚の動態を正確に知ることはできないでしょう。

 サンゴが北上する一方で、サンゴ礁の減少はサンゴ礁性魚類の多様性を著しく低下させることは間違いありません。魚はサンゴ群体を隠れ家にしたり、ポリプを餌として利用するなど、サンゴに直接依存しているだけでなく、サンゴ礁が作り出す複雑な地形や底質、海流など、多様な環境に様々な形で適応しているからです。しかしながら、サンゴ礁の減少との関連で魚の多様性がどのように変化してきたかを示す定量的なデータはほとんどありません。それどころか日本では海水魚を絶滅危惧種の評価対象から外しています。国際的には国際自然保護連合が海水魚や淡水魚といった区分ではなく、魚類全体を評価対象にしているのとは対照的です。昨年のCOP10の際に環境省は農水省と共同で海水魚も評価対象とすることを宣言しましたが、現時点で具体的な動きはないようです。サンゴ礁減少の原因として高水温による白化現象やオニヒトデによる食害があげられていますが、魚の場合には仔稚魚の育成場となる藻場や干潟、マングローブの現況はもちろん、遊漁を含む漁業による影響も調査する必要があるでしょう。最近、名護湾や金武湾など、沖縄島周辺の大きな湾の砂泥底、すなわちサンゴ礁のない場所での魚類の多様性がダイバーや研究者の間で注目されています。サンゴ礁だけでなく、これまで注目されてこなかった環境も見落としてはいけません。

 

 

 

【関連リンク】

○国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター

http://www.coremoc.go.jp/

 

○日本サンゴ礁学会HP

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jcrs/

 

 

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