20151211
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海外専門家コメント

妊婦の死因、メンタルヘルス上の問題が主な原因の一つ

・これは、2015年12月9日にジャーナリスト向けに発行したサイエンス・アラートです。

・記事の引用は自由ですが、末尾の注意書きもご覧下さい。

<海外SMC発サイエンス・アラート>

妊婦の死因、メンタルヘルス上の問題が主な原因の一つ:海外専門家コメント

MBRRACE-UK(Mothers and Babies: Reducing Risk through Audits and Confidential Enquiries across the UK)は、妊婦の死因を調べた結果、2/3が妊娠中のメンタルヘルスや健康上の問題が主な原因の一つであり、このうち3/4は妊娠前からそれらの問題を抱えていたとするレポートを発表しました。レポートでは、イギリスとアイルランド女性の妊娠中・妊娠後の死亡原因を集計分析しています。レポートは12月8日に公開されました。この件についての海外専門家コメントをお送りします。

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【参考リンク】

Knight et al., “Saving Lives, Improving Mothers’ Care” is published on Tuesday 8th December

https://www.npeu.ox.ac.uk/downloads/files/mbrrace-uk/reports/Saving%20Lives%20Improving%20Mothers%20Care%20report%202014%20Full.pdf

 

Prof Ian Jones, Director

Director, National Centre for Mental Health, Cardiff University and Vice-Chair, Perinatal Faculty, Royal College of Psychiatrists

本研究の強みは、英国における妊産婦のすべての死亡例とその原因について詳細にレビューしている点です。レポートから分かるのは、メンタルヘルスケアは出産前後だけではなく、妊娠中の幅広い期間に渡って行われるべきだということです。今回の研究結果はこれまでの報告や現在の知見と一致しているにもかかわらず、この10年間で我々はこれらの教訓を学んでいないという事実を指摘しています。

過去のレポートでも言及されていますが、女性の精神状態を良くすることが重要です。出生前サービスやプライマリケアについて、周産期の臨床専門医だけでなく精神衛生のチームも、今回のレポートから学ぶところは大きいでしょう。今回の調査結果から、すべての女性にとって妊娠や出産が喜びだけではなく、深刻な精神疾患を発症させる引き金になるかもしれないことを再確認する必要があります。精神疾患をもつ周産期の女性がどこに住んでいたとしても、必要なケアを受けられるかどうかチェックすべきでしょう。

原文

“For every woman who dies, there are many more who are near misses. The strength of the methodology used is the detailed review of all cases of maternal death in the UK and the depth of information gathered. We can therefore learn lessons that apply more broadly to mental health services not just to those for women in the perinatal period. The findings of the current report are consistent with previous reports and with current knowledge – what is sobering, however, is despite similar findings over the past decade we do not seem to be learning the lessons.

“As with previous reports the latest confidential enquiry into maternal deaths emphasise the importance of good mental health to women at this time. It is vital that the messages are heard and the lessons are learnt – not only by specialist perinatal clinicians but mental health teams more generally, in addition to antenatal services and primary care. A number of ‘red flags’ are described which need to be recognised and responded to. The findings of the report remind us that pregnancy and childbirth are not for all women times of joy but may herald episodes of severe mental illness. We must ensure that women with mental illness in the perinatal period, where ever they live, have access to the specialist services they need.”

 

 

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