配信日:2025年9月25日
2100年までに世界的な深刻な水不足が発生する可能性を指摘
9/24にNature Communicationsへ掲載された以下の研究成果に関する専門家コメントをお送りします。
https://www.nature.com/articles/s41467-025-63784-6/
【専門家コメント】
沖大幹 東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻 教授:
確かに、記事の内容は衝撃的です。ざっと目を通してみましたが、著者らは極度の水不足について議論していますが、記事で定義されているDZD(Day Zero drought:干ばつゼロ日)が、実際にその地域のDay Zeroに該当するという証拠はありません。また、ほとんどの貯水池では水需要が平均流量を下回っているため、極度の水不足を評価するためのTRD(Time for Reservoirs Delay:貯水池が干上がるまでの時間)の妥当性も疑わしいと感じます。また、長期的な水不足を48ヶ月と評価するという彼らの基本的な前提も、流域の規模、貯水容量と平均流量の比率、水需要などに依存するため、不可解です。
以前から報告されているように、この論文で述べられている時期と地域では、将来的に水需給がさらに逼迫する懸念は確かにありますが、私がざっと読んだ限りでは、これが実際にDZDに該当するという確証はないようです。 また、地下水が利用できる地域では、地下水が利用できる限り、ゼロ デーにはなりません。
