周崇熙(国立台湾大学):
国内では現在、ワクチンによる鳥インフルエンザの封じ込めは行われていない。養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが発見された場合、最初の防疫措置として殺処分を行い、ウイルスの拡散を阻止している。ほとんどの鳥インフルエンザワクチンは不活化ワクチンで、製造過程でウイルスが完全に死滅していない場合、逆に鶏に感染させる恐れがある。さらに、家禽にワクチンを接種すると、症状が軽減され死亡率が下がる可能性はあるが、ウイルスは消滅せず、飼育者や獣医師が鳥インフルエンザの侵入を検知しにくくなるため、かえってウイルス変異が起こりやすくなる。
国外から違法にワクチンを持ち込んで使用した場合には、ウイルスが不完全不活化であれば、かえってウイルスを国内に持ち込み拡散させることになり、鳥インフルエンザウイルスがより高病原性に変異する可能性が高まる。国内の鳥インフルエンザ感染の大半は渡り鳥によって持ち込まれる。飼育業者が開放式鶏舎から非開放式鶏舎への転換を行い、家禽と野鳥の接触を避け、生物安全対策を強化することが、現時点で最も効果的な防疫措置だ。
